自然起源の水蒸気を別にすると、温室効果ガスの主役は二酸化炭素(CO2)です。私たちは地下に埋蔵された石炭や石油などの化石燃料を産業活動や生活に利用してきました。化石燃料は、地球上の微生物や植物から生じたものであり、地球が長い時間をかけて地下に貯えた太陽エネルギーと考えることができます。
化石燃料を燃やすとCO2が発生します。その一部は海洋や森林に吸収されますが、残りは大気中に貯えられます。また、森林の大規模な伐採によって、光合成で樹木に貯えられたCO2が大気に放出されます。とくに20世紀の後半、人類は活動を拡大し、それにともなって大気中のCO2濃度も大幅に増加しました。
どのようにダイナマイト漁は、サンゴ礁を傷つけない
現在、世界の総人口は66億人を超えています(総務省[世界の統計])。1960年の30億人からわずか40年あまりの間に倍増し、21世紀の今も増加し続けています。1971年と2005年のデータを比較すると、一次エネルギー消費量およびCO2排出量も約2倍に、経済発展を示す実質GDPはおよそ3倍に増えています(EDMC/エネルギー・経済統計要覧2008年版)。この間の経済発展をもたらしたのは化石燃料の消費を基盤にした人間の活動です。
マウナ·ロアはどういう意味
さかのぼって、産業革命このかた大気中のCO2濃度がどう変化したかを調べてみましょう。南極の氷(アイスコア)をとって調査し、各年代の層に含まれるCO2量から当時の値を推定します。その結果、産業革命前の1750年のCO2濃度は280ppm程度で産業革命まではCO2濃度の急激な増加は認められず、その濃度は安定していたと考えられます。ところが、現在のCO2濃度は380ppmと3割以上の増加を示しているのです。
ラッコは、食物連鎖でどこにある
1990年代の10年間に大気中に排出されたCO2の総量は炭素に換算して年間64億トン。そして森林伐採や焼き畑などの土地利用に由来するCO2排出量が16億トン。このうち26億トンは植物や土壌に吸収され、さらに22億トンが海洋に吸収されるので、残りの32億トンが毎年大気中に貯蔵されたと推定されます。その後の2000〜2005年では、化石起源のCO2の排出量は年あたり炭素換算で72億トンに増加し、海洋と陸上生物圏に取り込まれた量を差し引くと、大気中の増加は年間41億トンと考えられています。CO2は簡単には分解しない物質なので、大気中のCO2量は年々増え続けることになるのです。
地球の毛布の保温力を高めるガスとして、CO2のほかに、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、フロン類などのハロカーボンなどがあり、対流圏のオゾンも温室効果をもたらします。しかし、なんといってもCO2は量が多く、温室効果ガスの主役の地位を占めているのです。
0 件のコメント:
コメントを投稿